国家ぐるみのドーピング問題を巡り、国際オリンピック委員会が５日、ロシア・オリンピック委員会（ＲＯＣ）を資格停止とし、来年２月の平昌（ピョンチャン）冬季五輪への選手団派遣を禁じることを決めた今回の決定に対し、ロシアでは激しい反発の声が出ており、国旗や国歌を使えないのは屈辱だとして、五輪をボイコットすべきだとの主張まで出ている。

ロシア選手団の平昌参加認めず 潔白の選手には参加の道

タス通信によると、ロシア下院のレベデフ副議長は「我々はスポーツ大国であり、ロシアなしでは五輪でない。侮辱を我慢せず、五輪不参加を決断するべきだ」と呼びかけた。

１２日に選手やコーチを集めた会合を開く予定で、それまでに選手自らが参加するかを決める必要がある。関係者の中には「参加するべきだ」との声もあるが、「愛国心」を求める世論が高まれば、選手への圧力が強まる懸念もある。

スイス・ローザンヌのＩＯＣ理事会に出席したフィギュアスケートの世界女王、エフゲニア・メドベージェワ選手は報道陣から個人資格の立場で参加する用意があるかと問われ、「その質問はまだ早い」と慎重な姿勢を見せた。１９９４年リレハンメル五輪男子バイアスロン金メダリストのセルゲイ・チェピコフさんは「参加を決めた選手を批判しないでほしい」と訴えた。（モスクワ＝中川仁樹）