山尾志桜里・衆院議員
「周りにパワーと勇気を与えたワーキングマザー」をテーマにしたイベントが8日夜、東京都内で開かれた。選択的夫婦別姓を提唱するソフトウェア開発会社「サイボウズ」の青野慶久社長と、山尾志桜里・衆院議員(愛知7区)が対談。「2017年の働き方改革を振り返る」をテーマに意見を交わした。
山尾議員は、自身の働き方について、「政治家って『一生の仕事』というのはやめた方がいい。ある一定の期間は政治家になって、やめたら別の役割をしたらいい。自分もそれでいいんじゃないかと思うようになった。そうすればママとか女性とか色んな人がトライできると思う。『落ちるまでは絶対やる、落ちても絶対やる』という硬直した感じがハードルを高くしている」と語った。
青野社長は「(国会議員は)何回当選したかが『役職』になってる。年功序列。いけてない会社そのものですよ」と応じた。
残業削減に偏重する「働き方改革」についても、青野社長は「独身かそうでないか、会社から遠い、近い、親が近くにいる、いない……それぞれの望む働き方がある。残業だけ削れば良いというのは駄目です」と訴えた。
山尾議員も「前の世代は『(家庭に)配慮していただかなくても私は大丈夫』と言わないと、働き続けられなかった。今は『配慮をしましょう』というのが社会の空気。でも、早く帰る、子どもを連れていく時に、自分の家の事情を全部言わないといけない。次の世代はそうじゃないよう、もっと当たり前の空気にしてバトンを渡したい」と述べた。
話題は青野社長が提唱する「選択的夫婦別姓」の実現にも及んだ。
青野社長は「旧姓を使用して働くのが、どんだけ大変か。やったことないおっさんは分からないですよ。ホテルの予約一つでも、どっちで予約取ったって確認しないといけない。声を上げていかないとわからない」と訴えた。
山尾議員は「姓は96%の女性が変えているのに、国会議員の9割は姓を変えたこともない男性が占めている。でも政治家にとって名前ほど大事なものはない。名前が変わるって一番困るってしっているのは皆さんじゃないですかって(私は)言っている。そんな運動を大きくしていきたいですね」と自身の活動を紹介した。(高津祐典)