公式練習で調整する宮原知子=遠藤啓生撮影
フィギュアスケートのグランプリ(GP)ファイナルは9日夜、名古屋市の日本ガイシホールで女子フリーが行われる。8日のショートプログラム(SP)では、全6選手が70点台の高得点を出した。首位のケイトリン・オズモンド(カナダ)の77・04点から6位のカロリナ・コストナー(イタリア)の72・82点までが5点差以内にひしめく混戦となっている。
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3位で74・61点の宮原知子(関大)や5位で73・26点の樋口新葉(東京・日本橋女学館高)にも優勝や表彰台のチャンスがある。ファイナルで表彰台に乗れば、来年2月の平昌五輪の日本代表(2枠)争いで優位に立てる。
9日午前に公式練習があり、宮原は転ぶ場面もあったが、ジャンプのミスは少なく、浜田コーチと「いい感じ」と確認し合った。フリー「蝶々夫人」は日本人女性が主人公。米国人男性に恋する場面で、明るい曲調に合わせてステップなどを披露。その後、孤独感にさいなまれ、自殺にいたる場面を片足を高く上げて滑るスパイラルで見せ、最後は天国で幸せになる様子を演じる。宮原は「悲しみと強さを見せたい」。
樋口は3回転ルッツ―3回転トーループの連続ジャンプを何度も確認。ダブルアクセル(2回転半)でミスする珍しい場面があった。「ジャンプでほとんど全部感覚が狂っていて、思うように跳べなかった」と深刻そうだった。
フリーは映画「007」の曲。女性スパイが忍び込む場面などが見どころで、切れのある動きや滑らかな動きで女性の強さや色気を表現する。「一つ一つこなして、コレオ(振り付け)やステップでアピールしたい」(後藤太輔)