有田芳生氏が離党届
民進党の有田芳生(よしふ)参院議員=比例代表=が11日、党本部に離党届を提出した。近く立憲民主党に入党する方向だ。衆院選で立憲と希望の党に分裂した民進は存続を決めた47都道府県連を軸にして再編を進める方針だが、解党論も浮上し、混迷を深めている。
有田氏は離党届提出後、記者団に「自分の思想や価値観に最も正直な選択をするならば、民進党から離れるべきだとの結論に達した」と述べた。党内では有田氏以外にも、複数の参院議員が離党を検討している。民進の増子輝彦幹事長は11日の記者会見で「大変残念だ。そうした気持ちにならない体制を、一日も早くつくっていくことが肝要だ」と話した。
民進は10月の衆院選後、分裂した立憲と希望との連携を重視。全国の県連組織を残し、地方から再編の機運を高める戦略を描く。連合も3党の国会議員を中心とした政策勉強会「連合フォーラム」を立ち上げ、民進を後押しする考えだ。
ところが、衆院選後に地方組織と行っている意見交換では、「立憲と希望の間で連携するためだけの政党は必要ない」との厳しい声が相次ぐ。「新しい党にしなければ有権者の理解が得られない」との意見も続き、執行部内では「いったん解党し、ほぼ同じメンバーで新党結成」との案が浮上。検討中の党再生の指針案に「解党的出直し」との一文を盛り込んだ。
これに対し、岡田克也・元代表は5日の記者会見で「何をどうするかという答えがないまま解党という言葉が踊ると、国民の信頼は得られない」と反発。8日の両院議員懇談会では蓮舫・元代表が削除を訴えるなど異論が続出し、結論は先送りとなった。
一方、3党のみの連携を否定し、共産、自由、社民も含めた野党共闘を訴える立憲は地方組織を着々と立ち上げており、民進から立憲に乗りかえる地方議員も相次ぐ。民進執行部の一人はこう嘆く。「手をこまねいていては連合も立憲にもっていかれてしまう。八方ふさがりだ」(斉藤太郎)