北朝鮮の朝鮮中央通信は9日、フェルトマン国連事務次長が5~9日の日程で訪朝して李容浩(リヨンホ)外相らと会談を行い、北朝鮮と国連の間で「様々なレベルでの往来を通じた意思疎通」を定例化することで合意したと報道した。
同通信は7日にフェルトマン氏と李氏が万寿台議事堂で会談したと伝えたが、内容には触れていなかった。フェルトマン氏は9日、北京経由で帰国の途に就いた。
9日の報道によると、会談でフェルトマン氏は朝鮮半島情勢の緊張激化を憂慮し「国連憲章に基づいて朝鮮半島の緊張緩和に貢献する」との意思を示した。李氏側は緊張の原因は「全面的に米国の敵視政策と核による威嚇」だと主張。「現在も米国が核戦略爆撃機を動員し、我が国を核先制攻撃する企図を現している」と言及し、米韓両空軍が4~8日に行った合同軍事演習を批判した。
一方、朝鮮中央通信は9日、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長が、北朝鮮が「革命の聖山」と呼ぶ中国との国境地帯にある白頭山に党幹部らと一緒に登り、「国家核武力完成の歴史的大業を輝かしく成し遂げた激動の日々を感慨深くふりかえった」と報道した。日時は不明。11月29日の新型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星15」の試射成功を正恩氏の功績と強調し、「核武力が完成した」とする主張をアピールするねらいがあるとみられる。(ソウル=武田肇)