江戸の町並みを再現した飲食店などのモールのイメージ=万葉倶楽部提供
東京都の豊洲市場(江東区)の開場が「来年10月中旬」と決まってから1カ月以上がたつが、都はいまだに具体的な日付を決められずにいる。豊洲市場内の商業施設のオープンが不透明になっていることに江東区が反発。豊洲の追加安全対策工事も入札不調が相次ぎ、請負業者との契約が遅れている。移転が遅れた場合、2020年東京五輪・パラリンピックに影響しかねない。
「疑心暗鬼が渦巻いている」「知事を含め都全体に不信感がある、移転を了承した約束が中途半端だ」
市場の豊洲移転問題を議論する13日の江東区議会特別委員会。議員からは都への不満が相次いだ。
都議会の6日の代表質問でも、登壇した5人の都議全員が市場移転問題を取り上げ、小池百合子知事は「できるだけ早期に決定できるよう、関係者との調整を丁寧に進める」と答えるのが精いっぱいだった。
移転後の築地跡地は、20年五輪の駐車場(3千台分を計画)や輸送施設に使われ、選手村と都心を結ぶ都道・環状2号線の一部も造られる計画だ。都は五輪前の20年春までに工事を終えるため、来年10月に着工する方針だ。それまでには半年あまりかかる豊洲の追加安全対策工事を終え、築地から市場を移す必要がある。20年大会の組織委員会幹部は「来秋の築地跡地の着工が延びれば、大会に間に合わない可能性が出てくる」と警鐘を鳴らす。
移転日が決まらない原因の一つが、豊洲市場内に計画されている商業施設「千客万来施設」だ。
商業施設の事業予定者は、小池…