暴力団組長の虚偽の診断書を作った疑いがもたれた事件で、京都地検は27日、虚偽有印公文書作成・同行使の疑いで書類送検された京都府立医科大付属病院(京都市)の前院長(65)と担当医(45)を不起訴処分(嫌疑不十分)にした。恒川由理子次席検事は「虚偽と断定できる証拠を十分収集することができなかった」と説明した。
捜査関係者によると、前院長らは恐喝罪などで実刑判決が確定した組長の病状について、「刑務所収容に耐えられない」する意見書を、2015年8月に大阪高検に提出。高検は収容を見送った。京都府警は今年10月、意見書の内容が虚偽だったとみて2人を書類送検した。地検によると、収容できる状態かどうかは専門医の見解が分かれ、収容を免れさせる動機も解明できなかったという。