2016年7月、ソウルに設置された元慰安婦を支援する「和解・癒やし財団」の事務所前で、看板を除幕する関係者ら=東亜日報提供
2015年の日韓慰安婦合意に基づき、元慰安婦の支援活動を行ってきた韓国の「和解・癒やし財団」の理事8人のうち5人が、辞表を提出したことが30日わかった。韓国の康京和(カンギョンファ)外相の直属チームが日韓合意について否定的な検証結果をまとめたことが影響したとしている。辞表の受理には時間がかかるため、財団の活動には当面影響しないが、日韓協力の象徴は岐路に立っている。
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財団は、慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的解決」をうたう合意に基づいて韓国政府が設立し、元慰安婦や遺族に現金を支給する事業を続けてきた。理事長を含む理事11人で構成されていたが、合意に批判的な韓国の世論を背景に7月に金兌玄(キムテヒョン)理事長が辞任するなど、すでに理事3人が辞任している。
5人の辞表は検証結果が発表される前日の26日に一斉に提出された。いずれも大学教授ら有識者で、残る3人の理事は韓国政府や財団による「あて職」。定款によると財団は理事5人以上で運営されなければならず、辞表を受理するかを決める理事会を開くには、韓国政府が新たに理事2人を任命する必要がある。
辞表を提出した理事の一人は「…