中央学院大の3区、横川巧(2年)。写真は2017年12月中旬撮影で、まだマネジャーに五厘刈りにしてもらう前の「長髪」バージョン
髪の毛をサラサラとなびかせて走るランナーが多いなか、中央学院大の3区、横川巧(2年=群馬・中之条高)のヘアスタイルは際立っていた。青い。
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「五厘(約1・5ミリ)刈りです。バリカンのアタッチメントを外して刈るやつ」。基本、高校生の時からずっと丸坊主。以前は、いわゆる「1千円カット」の店に通っていたが、試合前には必ず刈るため、記録会などレースが多いシーズンは月に3、4千円と出費がかさんだ。だから今は、仲の良い同級生の高見翔マネジャーに刈ってもらっている。「それまでは3ミリだったんですけど、今季の夏に一度、五厘刈りにしたら走りの調子も上がった」。ただ、箱根を走る1月は寒い。「12月から何段階かに分けて、徐々に五厘にまで持っていきます」と話していた。
王者のボスも「欲しかった」
鉢巻きを巻いて走るスタイルも高校生の時から変わらない。その闘志あふれる姿には、大会3連覇中の青学大・原晋監督もひかれた。昨年12月のトークイベントで「箱根駅伝で、ファンに特に注目してほしい選手」を聞かれ、原監督は真っ先に横川の名前を挙げた。「大学生になっても鉢巻き姿で気合を入れるランナーは少ない。走力もあって、突っ込める。将来有望です」と絶賛。「実は私もスカウトをしたんですよ。うち(青学)に欲しかった」と本音もこぼれた。
鉢巻きには「ジャイアントキリング」
その鉢巻きの内側に今回、横川は自分の名前とともに「ジャイアントキリング」(大番狂わせ)の文字を刺繡(ししゅう)した。「髪の毛の長さに反比例するように、1月2日に向けて調子をあげていきたい」。(平井隆介)