北朝鮮問題について、NPO法人「言論NPO」と米メリーランド大による日米世論調査で、核・ミサイル開発を進める北朝鮮を核保有国として認めるべきだという答えが米国で4割に迫り、1割強だった日本と大きな差が出た。
調査は10月下旬~11月上旬に行われ、12月28日に結果が発表された。日本側では18歳以上の千人から調査票を回収。米国側では無作為抽出でメールや電話を通じて2千人から回答を得た。
「北朝鮮を核保有国として認めるべきか」という問いに、米国では賛成37%、反対36%と割れた。日本では反対70%で、賛成12%を大きく上回った。
一方で「日本の核武装の是非」を尋ねると、米国では賛成40%、反対33%だが、日本では賛成12%、反対68%。「韓国の核武装の是非」でも米国では賛成40%、反対32%、日本では賛成9%、反対68%で傾向はほぼ同じだった。
北朝鮮に加えて日韓の核保有まで認める答えが米国で約4割あったことについて、言論NPOの工藤泰志代表は「北朝鮮のミサイルが米国本土に届きそうなので、米国では北朝鮮の核保有を認めた上で、日韓にも認めて核使用を抑止した方がいいという世論が出ているのではないか」とみる。
ただ、それはNPT(核不拡散条約)体制の形骸化や東アジアでの軍拡を後押しする危うい傾向だとも指摘。「北朝鮮の核開発を止める最も有効な方法」という設問で、多国間や米朝での対話を支持する答えが米国で4割を超えたことも挙げ、「外交による解決を急ぐべきだ」と話した。