消費税の不正な還付申告を疑われ、東京国税局が還付を保留していた免税店運営会社4社をめぐり、自民党の鳩山二郎衆院議員(39)=福岡6区=の小沢洋介秘書(45)が昨年4月、国税庁幹部を呼んで還付の保留について説明を受けていたことがわかった。税務行政への圧力とも取られかねないが、小沢氏は取材に「一般的な話をしただけで、圧力をかけたつもりはない」と話している。
小沢氏は鳩山邦夫元総務相(故人)と次男・二郎氏の公設第1秘書を務め、昨年1月から二郎氏の私設秘書となった。国税側と面会当時、4社の取引先である仕入れ元の宝石販売会社「国際東日ジュエリー」(東京)の顧問を務め、面会2カ月後の昨年6月には同社代表取締役に就いた。
関係者によると、4社は2015年4月~16年12月、消費税が免税される外国人観光客に宝石を販売したため、消費税が徴収できなかったなどとして、宝石の仕入れ時に負担した計約2億2千万円の消費税の還付を申告。しかし、東京国税局が還付を保留していたところ、小沢氏が衆議院議員会館に国税庁の消費税室長ら職員3人を呼び、面会したという。
小沢氏は面会時に、4社の一部の企業名を出すなどして、還付の保留について尋ねたという。
一方、東京国税局は税務調査の結果、4社が主張する外国人訪日客への宝石の販売や、国際東日との取引は実態がなかったなどと判断。昨年9月、重加算税を含めて約3億円を追徴課税(更正処分)した。4社はこれを不服とし、国税不服審判所に審査請求している。国税庁は、小沢氏との面会について「税務調査に影響はなかった」としている。
国税側との面会には鳩山二郎氏本人も同席していたといい、鳩山氏は事務所を通じ、「還付制度についてのレクチャーに出て欲しいということで話を聞いただけ。特定の会社名が話にのぼった記憶はない」などと説明している。