ビックカメラなんば店にあるスマートスピーカー売り場=大阪市中央区
人工知能(AI)を使って、人と会話ができる「スマートスピーカー」が、注目を集めています。グーグルなどのIT企業は音声認識の精度などを売りにする一方、音質にこだわる老舗のオーディオブランドも参入するなど商品も多様化しています。
きりとりトレンド 話題の商品を紹介
「明日の天気は?」「大阪市の天気は晴れです」
文字を入力しなくても、呼びかければ答えてくれる「スマートスピーカー」。米アマゾンが4月、「Amazon Echo(エコー)」の一般販売を大手家電量販店で始めるなど、若者から中高年まで幅広い世代に広まりつつある。
受け答えの正確さや速度を左右するのは、AIの性能だ。米国のグーグル、アマゾン、日本のLINEなどIT企業は、独自の音声認識システムを開発。それぞれ対応するアプリやサービスの充実を図っている。
照明のオン・オフなど、家電を操作できることも魅力だ。日本の家電はまだ赤外線リモコンでの操作のみで、家庭内のネットにつながらないタイプも多い。そこで、スマートスピーカーからネットで指示を受け取り、赤外線を出して家電を操作する「スマートリモコン」も登場している。
ビックカメラなんば店(大阪市)で売り場を担当する平山良さんは「これから機能はどんどん進化し、連携する家電も増えてくるのは確実」と話す。
一方、最近は音質にこだわるオーディオメーカーの製品も充実。ソニーはどの方向からでも均質な音が楽しめるよう、上向きと下向きのスピーカーを組み合わせた製品を昨年末に出した。オンキヨーも音の臨場感にこだわった製品を、JBLは雨にぬれても安心な防水タイプを発売する。
「良質な音で音楽を楽しみたいという中高年には、オーディオメーカーの製品が人気です」(平山さん)という。(金井和之)
安定感と手頃さ 大小人気
グーグルの「Google Home」(右)は、音声認識の安定感に評価があるAI「グーグルアシスタント」を使う。学生や社会人に広く普及するグーグルのカレンダー機能などとも連携し、予定や交通状況も教えてくれる。小型で手頃な値段の「Mini」もある。
LINEメッセージ声に乗せ
LINEの「Clova Friends(クローバ フレンズ)」は、同社のメッセージアプリで届いた文章を読み上げてもらったり、返信や宛先を声で吹き込んだりできる。LINEの無料通話も可能。バッテリーを内蔵しているので屋外の使用もできる。
ジェスチャーで音楽再生
ソニーの「LF―S50G」は「対向配置2ウェイスピーカーシステム」を採用。360度にクリアな音を飛ばし、部屋のどこにいても音楽が楽しめる。アシスタント機能も搭載し、音楽の再生や音量の調整などの基本操作をジェスチャーでも指示できる。
防水で生活に溶け込む
老舗オーディオブランドとして良質な音のある生活スタイルを追求した商品が、JBLの「LINK10」。バッテリーを内蔵し、コンセントを使わずに約5時間の音楽再生が可能。防水機能もあり、キッチンや風呂場、アウトドアでも使える。
売れ筋ランキング
①Google Home Mini(Google)6000円
②Google Home(Google)1万4000円
③Clova Friends(LINE)8000円
④LF-S50G(ソニー)2万2900円
⑤LINK10(JBL)1万880円
※ビックカメラ全店の販売データ(4月1日~5月17日)。5月18日時点の税抜き店頭販売価格。(きりとりトレンド)