男性が刺殺された路上付近=15日午前1時21分、広島市安佐北区、宮川純一撮影
14日午後10時15分ごろ、広島市安佐北区可部5丁目で、男性2人が刺されて倒れていると通行人から110番通報があった。広島県警によると、1人が間もなく死亡、もう1人も背中にけが。刺したとみられる男は逃走したが、県警は、JR広島駅(同市南区)付近にいた不審な男を確保。事件への関与を認めたため、15日未明に殺人と殺人未遂容疑で緊急逮捕した。
県警の発表によると、逮捕されたのは同市安佐北区可部3丁目の無職、高橋豪(ごう)容疑者(33)。14日午後10時15分ごろ、同区可部5丁目の路上で、同区の男子大学生(20)の背中を刺した上、同区三入東1丁目の座山(ざやま)則男さん(75)の腹を刺して殺害した疑いがある。
刺された2人はバス停でバスを待っていたといい、男子大学生は「刺されたと思ったら、後ろに男がいた」と説明。高橋容疑者は2人と面識はないと述べ、捜査関係者によると、事件後自殺するつもりだったとの趣旨を供述しているという。現場付近から凶器とみられる刃物も見つかった。
高橋容疑者は事件後、知人に「人を刺した」と電話で連絡したといい、不審に思った知人が110番通報。行方を追っていた県警が身柄を確保した。
亡くなった座山さんの知人男性(74)によると、座山さんは地元の小学生の登下校の見守り活動をしていたといい、「なんでこんな事件に遭わなければならないのか」と話していた。
現場はJR広島駅から北へ約14キロの幹線道路沿い。