県船橋の魚住幸佑君(3年)=2018年7月19日午前10時16分、千葉市の県野球場、松島研人撮影
第100回全国高校野球選手権記念東・西千葉大会(朝日新聞社・県高野連主催)は19日、西千葉大会の4回戦8試合があり、8強が決まった。八千代が船橋啓明にコールド勝ちし、2002年の84回大会以来の準々決勝進出。四街道は35年ぶりの8強入りを果たした。昨夏の準優勝校の習志野と今春の選抜大会に出場した中央学院は、それぞれ勝ち上がった。20日は終業式のため試合はない。21日は東千葉大会の準々決勝4試合が県野球場とゼットエーボールパークである。
地方大会をライブ中継中! 「バーチャル高校野球」で過去最多700試合
夏の甲子園、歴代最高の試合は? 投票ベストゲーム
地方大会の熱中症対策呼びかけ 朝日新聞社と日本高野連
仲間がいる 野球は楽しい 県船橋 魚住幸佑投手
(19日、高校野球西千葉大会 習志野3―0県船橋)
七回裏の守備。習志野の応援歌が大音量で響くなか、県船橋のエース魚住幸佑君(3年)は1死三塁のピンチを迎えていた。「大丈夫。ボールは勝っている」。捕手の広瀬智己君(同)の言葉に意を強くし、笑顔で冷静に投球。無失点で乗り切った。
魚住君は昨秋からエースとして活躍。だが、背番号1を重荷に感じたこともあった。昨秋は地区大会で敗れ、県大会出場を逃した。今年3月の練習試合では「打たれたら負ける」と焦るあまり、茨城県の江戸崎総合に大敗を喫した。
試合後、日暮(ひぐらし)剛平部長から「楽しいから野球をやっているんだろう。野球を始めた時を思い出せ」と諭された。チームメートとも話し、「仲間と一緒にプレーする楽しさ」を取り戻した。
今大会は、初戦の日体大柏戦で序盤に相手打線に捕まりリードを許すも、終盤に味方の打線がつながり、逆転サヨナラ勝ち。「自分には頼れる仲間がいる」と実感した。
そして迎える昨夏の準優勝校との一戦。前夜、魚住君は習志野の応援歌をイヤホンで聴き、イメージトレーニングを重ねた。
この日は、中村友哉君(2年)の後に五回から登板。大音量の演奏も「昨日ほどの迫力はないかな」。むしろ、「習志野と戦っているんだ」と、笑みがこぼれた。内角の直球がさえ、4イニングで被安打2と踏ん張った。
「甲子園には出られなかったけれど、あんなに楽しい舞台で投げられて幸せ者です」。魚住君は最後まで笑顔だった。=県(松島研人)