北里大学病院(相模原市)が、医師らを残業させるために必要な労使協定(36〈サブロク〉協定)の結び方が不適切で、協定が無効だと相模原労働基準監督署(同)から指摘されていたことがわかった。医師の勤務時間を就業規則で定めずに違法な残業をさせていたなどとして、労働基準法違反で是正勧告や改善指導も受けており、大病院のずさんな労務管理の実態が明らかになった。勧告や指導は昨年12月27日付。
北里大病院、長時間労働常態化か 労基法違反で是正勧告
「医師は労働者」乏しい認識 大病院、ずさんな勤務管理
法定労働時間を超えて病院職員を働かせるには、労働者の過半数で組織する労働組合か、労働者の過半数代表者と36協定を結び、残業の上限時間などを定める必要がある。北里大病院の関係者によると、病院には労組がなく、各部門の代表が集まる「職員代表の意見を聴く会」で過半数代表者を選び、残業の上限を「月80時間」などとする36協定を代表者と結んでいた。
だが、各部門の代表になるには所属長の推薦が必要なうえ、人事担当の副院長ら幹部が過半数代表の選出に関わっていた。このため選出の手続きが労基法の要件を満たさず、適法ではないと指摘されたという。2千人以上いる職員の残業が違法状態にあったことになり、この点でも是正勧告を受けた。
また、同病院は「勤務時間管理…