「コブラゴールド」での上陸作戦の訓練にはヘリコプターも参加した=17日、タイ中部チョンブリ県、貝瀬秋彦撮影
タイと米国が主催する東南アジア最大級の多国間合同軍事演習「コブラゴールド」で17日、米軍、韓国軍、タイ軍が参加する上陸作戦の訓練が報道陣に公開された。この日は、自衛隊などによる在外邦人の保護措置の訓練も実施され、実際に自衛隊や米軍の輸送機に乗るなどした。
タイ中部チョンブリ県の海辺では、午前10時過ぎから上陸作戦の訓練が始まった。戦闘機が上空を飛ぶなか、海から米軍、韓国軍、タイ軍の兵士らが相次いで上陸。ヘリコプターも動員し、互いの連携を確認し合った。
中部ラヨーン県のウタパオ海軍航空基地であった邦人保護訓練も、コブラゴールドの一環として実施された。タイ、米国、マレーシアも同基地で自国民の避難訓練を実施。各国の避難者役が続々と空港に到着すると、日本人には待ち受けた自衛隊員や在タイ日本大使館員らが対応し、身分証やセキュリティーのチェックなどをしながら搭乗手続きを進めた。
その後、約60人が自衛隊の輸送機に乗って実際に離陸した。日本人の一部は米軍の輸送機に搭乗。この訓練で、米軍機に日本人が乗るオペレーションは初めてだという。福田達夫防衛政務官も訓練を視察した。
37回目となるコブラゴールドは13日に始まり、29カ国が10日間にわたって合同演習や災害救助訓練などをする。2014年のタイの軍事クーデター以降、参加規模を縮小させていた米軍からは、昨年の約2倍の約6800人が参加。両国の関係改善が背景にあるとみられる。自衛隊からは約150人が参加している。(ウタパオ=貝瀬秋彦)