年末が近づき、働く人の中には履歴書を用意して、転職に備える人が出てきた。今年の複雑な雇用情勢の下、安定を第一と考えて転職をやめた人もいれば、転職活動を続けよりよいチャンスをつかまえようとする人もいる。「中国青年報」が伝えた。
中国青年報社社会調査センターがこのほど働く人2015人を対象に行った調査によると、回答者の69.8%が「今年は理想的な次の仕事を見つけるのは難しい」と考えており、「見つけやすい」とした人は28.4%だった。また85.8%が「今年の転職はより慎重にしなければならない」との見方を示した。
働く人の79.2%「今年転職を考えた」
調査によると、働く人の79.2%が「今年転職を考えた」と答え、このうち26.3%は「考えただけ」で、11.6%は「転職するのはやめた」といい、「行動に移した」は41.3%だった。
今年は理想的な次の仕事が見つけやすいだろうか。調査によると、28.4%が「見つけやすい」、69.8%が「見つけにくい」とし、その他の人は「わからない」とした。
働いた期間別にみると、5-10年働いている人が「次の仕事は見つけやすい」とした割合が最高だった。収入別にみると、年収20万-30万元(1元は約15.9円)の人でこの割合が最も高かった。
王昭さん(仮名)は今年8月に不動産仲介会社を「裸辞(転職先を決めないまま退職すること)」した。やめてからすでに3ヶ月以上働いていない。「次の仕事を探そうと思ったが、満足する仕事が見つからなかったので、しばらく実家に帰ることにした」という。
「みんな今年の雇用情勢は厳しいと言うが、仕事探しが例年よりも大変だとは思わない。気に入った仕事を見つけるのが難しいだけだ」と話す文玉斉さん(仮名)は今年25歳で、メディア企業のプランナーをしている。最近、いろいろな雇用先の求人情報をチェックしたものの、転職する気はなくなった。「大企業は待遇はいいけれど入れない。それ以外の会社は気に入らない。転職を重ねれば重ねるほど条件が悪くなるのが心配なので、転職はやめた」という。
北京の広告会社でチーフデザイナーをしている張芸さん(仮名)は、「今年、自分の所属する部署に新しい人が来たけれど、来て1ヶ月で突然やめてしまった。理由は前からいる社員と口論になったことだった。会社は問題を公平かつ適切に処理したので、やめるほどのことはなかったと思う」と話した。
張さんの分析によると、「今の若い人は恵まれた家庭に育った人が多く、非常に裕福な生活をしてきた人もいる。また若くて、家のローンも車のローンもないし、家族を養う必要もないので、チャレンジしたり選択したりする機会がより多くなる。そういうわけで、若い人たちは転職するときに今後のことをあれこれ心配しなくて済む」という。