政府は16日、国家公務員の定年引き上げに向けた関係閣僚会議を開き、現在の60歳から65歳に段階的に引き上げる方向で検討を進めることを了承した。総人件費抑制のための60歳以上の給与の減額や、一定年齢で管理職から外す「役職定年」の導入を検討課題とし、人事院に検討を要請した。
この日了承された「論点整理」では定年引き上げについて、平均寿命が延び、少子高齢化が進むなかで高齢者の活躍の場をつくることの意義を指摘。若手や中堅職員の昇進を確保して人事の滞留を防ぐための「役職定年」や、ベテランの活躍の場を広げるために特定の分野に強みをもった職員を増やす育成の方法を検討する必要があると提起した。
政府は、給与水準などについて人事院からの意見を受けたうえで、詳細な制度設計や法改正を検討する。
国家公務員の定年引き上げは、昨年6月に閣議決定された骨太の方針に盛り込まれ、省庁横断の会議で論点整理を進めていた。少子高齢化への対応のほか、年金支給年齢の引き上げによる60歳以降の収入の減少に対応する狙いもある。