女子500メートルを制し、セレモニーで表彰台に跳び乗る小平奈緒=細川卓撮影
主将は勝てない――。平昌五輪で日本選手団の主将を務めるスピードスケートの小平奈緒(相沢病院)が、冬季五輪でひそかにささやかれてきたジンクスを破った。
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18日に行われた女子500メートルで、小平は36秒94の五輪新記録を出し、金メダルを獲得。優勝決定後「主将を任されたときに周りから金メダルを取れないなどジンクスがあると言われた。でも絶対500メートル自信がある、強い気持ちがあった」と話した。スピードスケートの日本勢の優勝は、1998年長野五輪男子500メートルの清水宏保に続き2人目で女子では初の偉業。冬季五輪の日本選手団の主将が金メダルに輝いたのも初めてだった。
近年では、02年ソルトレークで主将を務めたジャンプの原田雅彦は個人ラージヒルで前回の銅メダルから20位へと順位を落とした。10年バンクーバーでは、ジャンプの岡部孝信が出場なしで五輪を終えた。五輪の日本選手団主将が競技に出場しなかったのは冬季、夏季を通じて岡部が初めてのことだった。
選手団の主将にかかる重圧は大きく、結団式や開会式などの公式行事への出席で体調管理に影響が出ることもある。近年では、調整を優先して公式行事を欠席する主将も増えてきた。
今回の小平も開会式を欠席し、競技本番にそなえた。結果的に、1000メートルの銀メダルに続き、500メートルで日本スケート女子史上初の金メダルを獲得。重圧を見事に跳ね返した。(橋本佳奈)