距離女子30キロクラシカルで優勝し、表彰台に飛び乗るマリット・ビョルゲン(ノルウェー)=林敏行撮影
「私は、最も偉大なオリンピアンになれる可能性がある」。その思いで、平昌五輪に臨んだノルディックスキー距離の女王、37歳のマリット・ビョルゲン(ノルウェー)が女子30キロクラシカルで優勝し、冬季五輪史上歴代最多に並ぶ8個目の金メダルを手にした。
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25日、今大会最後の金メダリストを決めるレースを、圧巻の強さで制した。10キロ過ぎに2位以下を離し始めた。ペースは最後まで落ちない。2位に1分49秒5差の大差となる1時間22分17秒6。ノルウェーの国旗を右手に持ち、両腕を高々と掲げて、ゴールした。「素晴らしい日になった」
2015年12月に長男を出産。母として初めて迎える、5回目の五輪だった。母親になってからは息子と会えない日々がつらいようで、「家から離れたくないし、3週間会えなかったのはつらかった」。
今大会で金2、銀1、銅2の五つのメダルを手にした。通算メダル数は15個(金8、銀4、銅3)として、男女を通じて冬季五輪の通算最多記録を更新。金メダル数で、バイアスロン界の「鉄人」オーレアイナル・ビョルンダーレン(ノルウェー)と距離のビョルン・ダーリ(ノルウェー)の母国の英雄2人と肩を並べた。「最も偉大なオリンピアン」になった。
来シーズン以降については、「今は分からない」。ただ、五輪については「今回が最後」と言った。「振り返ってみて、自分でも信じられないような競技人生だった。誇りに思う。素晴らしい最後だった」(平昌=勝見壮史)