兵庫県三田(さんだ)市の女性会社員が行方不明になり、大阪、京都両府内の民泊や山林で切断された遺体が見つかった事件で、兵庫県警は28日、米国籍のバイラクタル・エフゲニー・バシリエビチ容疑者(26)=監禁容疑で逮捕=を死体損壊と死体遺棄容疑で再逮捕し、発表した。県警は女性が死亡した経緯も捜査している。
捜査1課によると、再逮捕容疑は2月16日未明から18日午前、大阪市東成区中道2丁目のマンション内にある民泊部屋で遺体を切断し、監禁容疑で逮捕される22日午後までの間、大阪市西成区花園北1丁目の民泊に頭部を遺棄したというもの。また、DNA鑑定で、女性の身元を近藤早紀さん(27)と確認したという。
同容疑者は「逮捕された事実を聞かされ、意味はわかりましたが、黙秘を希望します」と話しているという。神戸地検は28日、監禁容疑については処分保留とした。
捜査関係者によると、女性は2月15日、三田市内の勤め先を出た後、大阪市へ向かい、16日午前0時15分ごろ、バイラクタル容疑者とみられる男と同市東成区の民泊に入った。その後、消息を絶ち、親族が17日に行方不明者届を提出。県警は22日午後、奈良市法蓮町の民泊近くで同容疑者を見つけ、逮捕した。同容疑者は当初、「わからない」と話していたが、予約していた大阪市西成区の民泊で24日に頭部が見つかると、翌25日に「女性の遺体を遺棄した」と供述。説明通り、大阪府島本町と京都市山科区の山林計3カ所で胴体と両腕、両足が見つかっていた。
◇
被害女性の父親が28日、報道関係者に向けて、兵庫県警を通じて公表したコメントは次の通り。
私たちは突然の事件によって最愛の家族を失いました。色々な事実が一気に押し寄せてきており、まだ気持ちの整理ができておりませんが、娘を失った悲しみは確かで、何も言うことができません。今は静かに喪に服す時間をいただきたく、私たち家族はもとより近隣、娘の会社関係者、友人への取材についても自粛いただきますよう皆様のご配慮をお願いいたします。