中国科学院昆明植物研究所と雲南農業大学が29日に明らかにしたところによると、双方が協力する研究チームはこのほど、国際的な学術誌「Emerging Microbes & Infections」に「雲南のある洞窟のコウモリの死体における真菌新種及び病原菌に関する発見」と題した研究論文を共同掲載した。人類と野生動物の共存のさらなる模索に重要な手がかりを提供した。科技日報が伝えた。
中国科学院昆明植物研究所の許建初氏のチームと雲南農業大学の盛軍氏のチームはこのほど、雲南省の石灰岩地下洞窟で見つけたコウモリの死体から7種の真菌を発見した。うち4種の真菌は新種。この4種のうち3種は腐生真菌のMortierella属だ。これらの真菌は死体の有機物を溶解することで栄養を得る。しかし科学の研究にとっては、4つ目の新種「新宇宙スポロゾイト」が非常に重要だ。この属には多くの哺乳類を攻撃できる致命的な病原体が含まれるからだ。
「興味深いことに、その他の3種の真菌の善玉菌には、うまい具合に真菌病原体を抑制する効果があり、コウモリ及びその群れをその他の感染性真菌の侵害から守る。これは新しい生態系の可能性がある」。許研究員によると、これらの真菌間の相互作用のさらなる研究により、さらに有意義な結果が導き出される可能性がある。例えば、殺菌剤市場で実際に応用されるかもしれない。「石灰岩鍾乳洞のコウモリや微生物、及びその他の洞窟生物種間の複雑な関係を研究することには、重要な生態的、社会的、経済的意義がある」。盛教授によると、洞窟生物学及び生態系は、生物多様性の保護の注目点、科学探査のフロンティアになる可能性があるという。(編集YF)
「人民網日本語版」2020年7月1日