選手たちは、ティー打撃の合間にも声を張り上げる
東海大相模(神奈川)の打撃練習は活気にあふれていた。5カ所のケージで打撃マシンを相手に打ち続ける。控える選手も素振りやティー打撃で休むことがない。「速く!」「強く!」と打球に対して全員の声が響く。
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昨秋の関東大会は初戦で作新学院(栃木)に12―1で五回コールド勝ちしたが、準決勝で中央学院(千葉)に延長十回の末、2―3で敗れた。右横手の技巧派投手を打ち切れなかった。だから、この冬は特に打撃に磨きを掛けてきた。
主力となる2年生は、2015年夏、小笠原慎之介(中日)らの全国制覇を見て入部してきた。新チームの練習試合は54勝1敗2分け。昨秋の公式戦はチーム打率3割8分2厘と高く、エース斎藤は1点も取られていない。ただ、門馬監督は「甲子園を経験していない。選抜で成長してほしい」と厳しい。
門馬監督は選手が目標を立てやすくするために全国でトップクラスのチームと練習試合を組む。「僕が就任した当時(1999年)はPL学園(大阪)にもお願いした」。2005年からは大阪桐蔭ともしている。大阪桐蔭の西谷監督とは同い年の48歳。「西谷監督は勝負に備えた仕込みができる人。それに選手への言葉や声を掛ける間がうまい」と門馬監督。
過去2年間も夏の神奈川大会を前に対戦したが、4連敗。2年生は、強い刺激を受けている。主将の小松は「昨夏、柿木の低めが伸びてきたのを覚えている。この冬も明治神宮大会での大阪桐蔭戦を見た」。
斎藤は昨秋の県大会で死球を右手に受けて骨折。関東大会は欠場した。回復したこの冬は順調に練習をこなす。昨夏、大阪桐蔭の根尾に打たれた左越えの一打を忘れることはない。「選抜で、対戦したい」(坂名信行)