逸ノ城(右)は寄り切りで宝富士を破る=水野義則撮影
(13日、大相撲春場所3日目)
相撲特集:どすこいタイムズ
大きいことはいいことだ。巨漢に戻った逸ノ城は、やっぱり強い。
185センチ、168キロの宝富士だって小さくない。ただ幕内最重量、215キロの逸ノ城から見れば「軽い」。両差しを許し、外四つの体勢。だがゾウのような両足は全く後退しない。まわしを取って引きつけられる分「力が出る」。万全の形のはずが「逆に窮屈」と感じた宝富士をジワジワと寄り切った。3連勝の支度部屋では「悪くないですね」とご機嫌だった。
幕下15枚目格で踏んだ初土俵から5場所目、2014年秋場所の新入幕場所で13勝。一気に関脇に昇進した翌九州場所で勝ち越した時には、このまま大関に駆け上がるのではないか、という期待感があふれていた。ところが、幕内の上位と下位を行ったり来たりする力士になってしまった。
原因は、動きが良くなるようにと取り組んだダイエット。210キロ台まで膨らんだ体を190キロ台に絞った代わりにパワーを失った。加えて、研究された。「相手が逸ノ城を過剰評価して負けていた部分がある」と審判部の藤島副部長(元大関武双山)は、上り調子だった当時を振り返る。
稽古で大きくした体ではい上がってきた今は違う。先場所まで2場所連続で10勝をあげ、16場所ぶりに三役に戻った今場所、「前に(三役に)いた時より自信がついた」と口にする。上位陣が万全でない大阪。再び「強い逸ノ城」を見せつけるチャンスだ。(鈴木健輔)
○勢 取組後の花道で、ファン…