大学入学共通テストでの英語民間試験活用の仕組み
大学入試センター試験の後継として、2020年度から始まる大学入学共通テストの目玉の一つは、英語の4技能を測るため、民間試験を活用することだ。しかし、その民間試験をめぐって大学側から疑問を投げかける動きが相次いでいる。国立大学協会は配点を英語全体の1割弱に抑えるイメージ案を作成し、東京大は「合否判定に使わない」という方針まで示した。大学入試改革の根幹を揺るがしかねない事態だけに、波紋が広がっている。
「公平、公正の担保が社会の要請に堪えうるのかという議論は、当事者として深めないといけない」
8日、東京都内で開かれた国立大学協会の総会。英語の民間試験を活用するためのガイドライン案をめぐる議論になると、東京大の五神真総長が真っ先に手を挙げて発言した。入試ミスが相次いで発覚したことで、公平・公正に対する期待の高さを改めて認識したとして民間試験の公平さに疑問を投げかけ、「拙速な案を国大協から出すべきではない」と釘を刺した。
他の学長からは「決まりそうになってちゃぶ台を返すのはいかがなものか」という発言も出て、議論は深まらなかった。だが、2日後には東京大の入試担当の福田裕穂副学長が記者会見で民間試験について問われて「(合否判定に)使わない可能性が極めて高い」と答え、さらに踏み込んだ。
背景について、東京大の複数の…