歌手の趙容弼さん(東亜日報提供)
韓国と北朝鮮は20日、南北の軍事境界線上にある板門店で韓国芸術団の平壌公演について実務協議を行い、韓国の国民的歌手、趙容弼(チョーヨンピル)さんやK―POPグループ「少女時代」のソヒョンさんを含む約160人が訪朝することで合意した。31日から4月3日まで滞在し、2回の公演を開く。
韓国で「歌王」と呼ばれる趙さんは、盧武鉉(ノムヒョン)政権時代の2005年にも平壌で公演。日本でも流行した「釜山港へ帰れ」などを約7千人の前で熱唱し、話題になった。歌手のソヒョンさんは今年2月、北朝鮮の三池淵(サムジヨン)管弦楽団が平昌冬季五輪にあわせてソウルで公演した際、文在寅(ムンジェイン)大統領と金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長の実妹金与正(キムヨジョン)氏らが鑑賞する中、北朝鮮歌手と共演した。人選には、南北の文化交流を本格化させたい両政府の狙いがありそうだ。
実務協議では、韓国側の先遣隊が22~24日に平壌を訪問し、公演会場となる東平壌大劇場と柳京鄭周永体育館を視察することでも合意。北朝鮮側が、韓国の芸術団の安全や便宜を保証することでも合意した。
一方、韓国統一省によると、韓国芸術団は民間航空機を使って訪朝する。昨年9月、米国は制裁強化の一環として北朝鮮に立ち寄った航空機は180日間米国への入国を禁止する大統領令を発動しており、同省関係者は「国際社会への説明が必要」としている。(ソウル=武田肇)