昨年男子100メートルで優勝したガトリン(右から2人目)
日本陸上競技連盟は22日、大阪市・ヤンマースタジアム長居で5月20日に開かれる国際大会、セイコーゴールデングランプリ(日本陸連主催、朝日新聞社など共催)の男子100メートルの出場予定選手を発表した。日本選手として初めて10秒の壁を突破した桐生祥秀(東洋大、今春から日本生命)や2017年世界選手権金メダルのジャスティン・ガトリン(米)らトップ選手がエントリー。白熱のレースになりそうだ。
日本勢の注目は、昨年9月の日本学生対校選手権でマークした9秒98から、今季、さらなる記録更新を狙う桐生だ。順調にトレーニングを積めているといい、「記録が0秒01でも速くなれば、日本記録もついてくる。常に自己ベストを更新していきたい」と、意気込みを語る。
桐生のライバルたちも参戦を表明。昨年自己ベストを10秒00に短縮した山県亮太(セイコー)は「自分の走りをすれば、記録は出る」。さらに、リオデジャネイロ五輪日本代表で男子400メートルリレー銀メダルメンバーのケンブリッジ飛鳥(ナイキ)、世界選手権の男子400メートルリレー銅メダルメンバーの多田修平(関西学院大)もエントリーリストに名を連ねた。
自己ベストはケンブリッジが10秒08、多田が10秒07だが、昨年6月の日本選手権ではともに桐生、山県を破り、世界選手権の男子100メートルの代表入りをつかみとった。
一方、日本勢の強力なライバルになりそうなのが、昨年のこの大会も制したガトリンだ。昨夏の世界選手権では、世界記録保持者でこの大会を最後に引退したウサイン・ボルト(ジャマイカ)に競り勝って優勝した。
豪華メンバーのそろい踏みで「国内最速」の争いに加え、「世界最速」への挑戦も実現へ。陸上ファンにとっては興味が尽きないレースになりそうだ。大会は今夏のジャカルタ・アジア大会の代表選考会を兼ねて行われる。(遠田寛生)