東洋大の卒業式を終え、笑顔で写真におさまる陸上の桐生祥秀(右)と競泳の大橋悠依
陸上の男子100メートルで9秒98の日本記録を持つ桐生祥秀(22)が、本職の100メートルではなく、200メートルで社会人デビューする。
23日に東京・日本武道館であった東洋大の卒業式に出席後、今季初戦について「多分(5月3日の)静岡国際の200メートルから」と明言した。今後も練習の拠点は東洋大だが、4月からは日本生命の所属選手として走る。
例年は100メートルから入ることが多いという桐生。今オフの冬季練習の課題で、250メートルや300メートルを多く取り入れていることから200メートルを選んだ。狙うは自己記録20秒41の更新で、「4年間更新していない。初戦で自己ベストを出して、いい感じでシーズンインできればいい」。
静岡国際での結果次第では、6月の日本選手権は100メートルと2種目出場も検討する。9秒98を出した昨年9月の日本学生対校選手権以来、100メートルのレースは走っていない。「もう10秒台だと会場が沸くことはなかなかないと思う。9秒台を出した人として、下手なレースはできない。恥じない結果を出していけたらいい」と、再び9秒台に挑む意欲は十分だ。
この日の卒業式では、それぞれの道を進む友人らとの時間を楽しんだ。大学生活でやり残したことは「卒業旅行ぐらい。イタリアに行きたかったけど、まったく無理だった。でも充実した4年間だった」と笑顔。今月あったオーストラリアの合宿前には念願を果たした。「友達が働いているバイト先のファミレスにみんなで行きました。大学生っぽいとことができて、久々に楽しかった」と、うれしそうに話していた。(遠田寛生)