上海から帰国して報道陣の質問に応じる桐生
陸上男子100メートルで昨年、9秒98の日本記録を出した桐生祥秀(日本生命)が上海でのレースを終えて13日夜、帰国した。今季最初の100メートルで10秒26(向かい風0・5メートル)と、記録的にはもの足りないが、今後につながるレースだったようだ。
桐生祥秀は10秒26で9位
桐生が出場したのは世界最高峰のサーキット大会ダイヤモンドリーグ。上海大会も昨年のロンドン世界選手権の100メートルを制したジャスティン・ガトリン(米)やリオデジャネイロ五輪銅メダルのアンドレ・ドグラス(カナダ)ら世界のトップクラスが集結した。桐生は好スタートを切ったものの9人中最下位に終わった。
「スピードが全然足りないと思った。かけっこで負けたわけだから悔しさは当然あるが、収穫もあった」と桐生。その収穫とは「最後までしっかり走り切れたこと」。同行した土江寛裕五輪強化コーチは「海外の有力選手がいて自分の思い通りに走らせてもらえない状況の中でも、力まず桐生らしい走りができた」と解説する。
例年、3、4月で1本は100メートルを走っていたが、今年は遅めの立ち上がり。6月下旬の日本選手権、8月のアジア大会を考えた取り組みだ。次戦は20日のセイコーゴールデングランプリ大阪の100メートルで、山県亮太(セイコー)、多田修平(関学大)、ケンブリッジ飛鳥(ナイキ)ら国内の有力選手と争う。桐生は「次もすごいメンバーだが、焦らず、あと1週間でどれくらいスピードを上げられるか、です」と冷静に話した。