前半、先取点を許したGK川島=長島一浩撮影
(27日、サッカー国際親善試合 日本1―2ウクライナ)
ハリルと選手に漂うぎくしゃく感 戦える集団とは
ハリルJ、ウクライナに1-2で惨敗 仮想ポーランド戦
ハリルホジッチ監督が「結果にこだわる」と臨んだウクライナ戦。「一人ひとりが持つ力を出し切らないといけない」と話していたGK川島が、守護神に選ばれた。前半21分に相手の強烈なミドルシュートから先取点を許しても、下を向かず、味方を鼓舞した。
ベンチから見守った23日、チームは格下のマリを相手にいいところを見せられずに引き分けた。「結果にも内容にも、誰一人満足していない。危機感がある」。海外組も含めた代表チームとしては、昨年10月のハイチ戦から続く未勝利が4試合連続に伸びていた。
今回のベルギー遠征には、DF吉田(サウサンプトン)、酒井宏(マルセイユ)と、これまでの守備陣を支えてきた主軸がケガでいない。代わりに起用された経験の少ない選手たちが実力を出し切れなかったことが、マリ戦での苦戦の原因では? そう聞かれた川島は、語気を強めて反論した。「自分だって若いときは100%の力を出すのが難しかった。でも、若かろうが年齢が上だろうが、勝ち抜かなければポジションはない」
6月14日に開幕するW杯ロシア大会に出場できるのは23人だけだ。「メンバー入りを保証されている選手はいない。代表という特別な場所で生き残る、という気持ちを出していかないといけない」。この日が日本代表として国際Aマッチ82試合目の出場。言葉には、険しい道のりを歩き続けてきたプライドがにじむ。(清水寿之)