二回表エンゼルス2死一、二塁、マルドナドの二塁打で、走者大谷は三塁へ走る=白井伸洋撮影
(29日、大リーグ エンゼルス5―6アスレチックス)
大谷、開幕戦で5打数1安打 チームはサヨナラ負け
敵地のファンから激しいブーイングで迎えられ、大谷翔平は大リーガーとして最初の打席へと歩いた。「おそらくこの先、忘れられない打席になるのかなと。特別な感情はあるんじゃないかと思います」
二回、1点を先取した後の2死一塁。初球、内角にきた148キロのカットボールに反応した。「シモンズ選手が(走者で)一塁にいてくれたので、ああいう形で抜けてくれた」と大谷。牽制(けんせい)球などに備えて一塁手が一塁ベースについていたことも幸いして、打球は右前に達した。
オープン戦では打率1割2分5厘と結果は出なかったが、右足を軽く上げてタイミングを取る従来の打ち方を、足を上げない打法に変えてからは、徐々に上向いている。この日も試合前の打撃練習で、バックスクリーンを超える当たりを放ち、球場をわかせていた。
新しい環境で最初の公式戦。大谷は開幕への心境を問われたとき、こう答えていた。「個人的には、バッターではあまり緊張しないので。やっぱり、ピッチャーは開幕戦がすごく大事だと思いますし、全然違うんじゃないかなと思います」
打者としてはプレッシャーと無縁でも、以降の4打席は、すべて凡退だった。それでもソーシア監督は、23歳の未来に期待している。「彼は日本での経験がある。才能があり、闘争心もある。一生懸命練習するし、環境にも慣れてきた。我々を、勝利に導いてくれるはずだ」。残り161試合、長い一年の始まりだ。(オークランド=山下弘展)