プロ野球公式戦開幕を控え、キャッチボールするソフトバンクの千賀=時事
プロ野球は30日、セ・パ両リーグが同時に開幕する。
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各チームの開幕投手は、「常連」から若手まで多彩な顔ぶれとなった。
初めて開幕投手を任される投手は6人。中日は20歳の小笠原が大役に抜擢(ばってき)された。ソフトバンクの千賀は、育成ドラフト出身としては球界初の開幕投手。オリックスの西は10年目、広島の野村は7年目で開幕のマウンドに立つ。外国人投手3人のうち2人は初で、日本ハムは新加入のロドリゲスが開幕の座を射止めた。ヤクルトのブキャナンは来日2年目だ。
連続では阪神9年目のメッセンジャーが、4年連続5度目。ロッテの涌井も4年連続で、西武時代を含めると現役最多の9度目の開幕投手となる。西武の菊池は3年連続、DeNAの石田は2年連続で任された。
楽天の則本と巨人の菅野は、ともに2年ぶり。昨年は2人ともワールド・ベースボール・クラシック(WBC)出場の影響で開幕を回避した。則本はルーキーイヤーの2013年に開幕を任されて以降、開幕投手は「指定席」となり、今年で5度目。菅野も2年目の14年から開幕を任される立場で、4度目となる。
今季の開幕投手で、これまでの勝利数トップは涌井の5勝(3敗)。菅野は3勝0敗と、まだ開幕戦で負け知らずだ。
歴代の投手をみると、1950年の2リーグ制以降、開幕戦で最も多く先発したのは鈴木(近鉄)と金田(国鉄、巨人)の14度。2人の結果は明暗が分かれ、鈴木は4完封を含む通算9勝で歴代最多勝利を誇る。一方、金田は歴代最多の8敗を喫した。先発数は村田(ロ)の13、山田(阪急)の12と続く。山田は75年から12年連続で先発し、7年連続で完投するなど歴代2位の8勝を挙げた。
清宮はいないが…新人野手は4人スタメン
野手では新人4人が開幕スタメンに名を連ねる。
DeNAのドラフト2位、神里(日本生命)は「7番右翼」で出場予定。ロッテの井口監督は2位藤岡裕(トヨタ自動車)を「2番遊撃」で、4位菅野(日立製作所)を「6番左翼」で起用することを明らかにしている。オリックスは8位山足(やまあし)(ホンダ鈴鹿)が二塁手争いで生き残った。
新人選手の開幕戦でのエピソードといえば、巨人・長嶋の「4打席連続三振」が有名だ。東京六大学のスター選手だった長嶋は58年の開幕戦で、国鉄の金田に4打席連続で空振り三振を喫した。最悪のデビューだった長嶋だが、打率3割5厘、29本塁打、92打点で新人王と打撃2冠(本塁打、打点)に輝いた。長嶋はその後、開幕戦に強くなり、歴代最多の通算10本塁打を放っている。
新人で開幕戦に本塁打を放った選手は50年の2リーグ制以降で12人。このうち56年の穴吹(南海)と89年の中島(日)はサヨナラ本塁打を記録している。新人の開幕戦本塁打は近年出にくくなっており、2000年以降では14年の西浦(ヤ)しかいない。
高卒で開幕戦に先発出場したのは2リーグ制以降では王(巨)、張本(東映)、立浪(中)、大谷(日)ら13人。今季は注目の清宮(日)が2軍スタートとなり、高卒での開幕1軍はいなかった。
2013年以降の各球団の開幕投手(○●はチームの勝敗)
(左から球団名、2013年、14年、15年、16年、17年、18年の開幕投手)
【パ・リーグ】
ソフトバンク 摂津○ 摂津○ 摂津● 摂津● 和田○ 千賀
西武 岸● 岸● 牧田○ 菊池○ 菊池○ 菊池
楽天 則本● 則本○ 則本● 則本○ 美馬○ 則本
オリックス 金子● 金子● ディクソン● 金子● 金子● 西
日本ハム 武田勝○ 吉川○ 大谷○ 大谷● 有原● ロドリゲス
ロッテ 成瀬○ 成瀬● 涌井○ 涌井○ 涌井● 涌井
【セ・リーグ】
広島 バリントン● 前田○ 前田● ジョンソン● ジョンソン● 野村
阪神 メッセンジャー○ 能見● メッセンジャー○ メッセンジャー● メッセンジャー○ メッセンジャー
DeNA 藤井○ 三嶋● 久保● 井納○ 石田● 石田
巨人 宮国○ 菅野○ 菅野○ 菅野○ マイコラス○ 菅野
中日 吉見● 川上● 山井● 大野○ 大野● 小笠原
ヤクルト 館山● 小川○ 小川○ 小川● 石川○ ブキャナン