1日、米韓合同軍事演習が韓国周辺で始まった。米空母も参加して「史上最大規模の演習」と銘打たれた昨年と異なり、北朝鮮への刺激を避ける雰囲気が色濃く漂う。韓国芸術団の公演も同日、平壌で行われた。米韓と北朝鮮の思惑はどこにあるのか。
米韓合同軍事演習、対話ムードに配慮? 米空母の姿なし
米韓関係筋は「今年の演習のキーワードは『例年通り』だ」と語る。北朝鮮は今年に入り、融和ムードを強調するが、核・ミサイル開発の放棄を明言したわけではない。米韓両軍は北朝鮮の脅威を抑止しつつ、対話路線を維持するため、「参加人員や演習内容は例年通り」と説明している。
北朝鮮も金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長が3月5日の韓国特使団との会談で、米韓演習について「4月に例年通りの水準で実施することを理解する」と表明し、妥協する伏線を張っていた。北朝鮮メディアは1日昼現在、米韓演習を巡る非難声明や論評を出していない。
ただ、米韓と北朝鮮双方の軍事的緊張が解けたわけではない。
演習期間は例年の約2カ月から半減したが、これは韓国外から参加する米軍の事情だった。国連が昨年11月、平昌(ピョンチャン)冬季五輪・パラリンピックを考慮して加盟国に3月25日までの臨時停戦を求める決議を採択したため、米軍にとって五輪期間中の演習は元々想定外だった。米軍本体は5月以降、他地域での演習計画があるため、期間の半減は織り込みずみだったという。
米軍は「米朝会談も考慮して」…