女子100メートル自由形で優勝し、表彰台で笑顔をみせる池江璃花子=諫山卓弥撮影
(8日、競泳・日本選手権女子50メートルバタフライ決勝)
池江璃花子、次々日本新 女子100自由形・50バタ
ゴールした17歳の池江璃花子が、満員の観客に両手でガッツポーズした。自身11レース目の女子50メートルバタフライ決勝。約1時間前に100メートル自由形決勝に臨んだばかりだった。それでも自らの日本記録を0秒01更新し、出場全4種目で計6度の日本新を出した。「気持ち的にも体力的にも強くなった」
この日の午前、「疲れが眠さにきている」と漏らしていた。だが、午後の決勝レースでは集中力を切らさなかった。100メートル自由形では前半を26秒09で折り返し、自身の記録を0秒43更新する53秒03をマーク。昨年の世界選手権7位相当のタイムを出し、うれし涙を流した。大会最終種目の50メートルバタフライでは息継ぎなしで泳ぎ切った。「全種目で日本新を出す」という宣言を有言実行した。
昨年の日本選手権では、女子史上初の5冠を達成した。しかし、自身が持つ日本記録の更新はならなかった。夏の世界選手権でも個人種目では果たせず、得意の100メートルバタフライでは表彰台に上がれなかった。悔しさをバネに、苦手なキックの練習では周りの選手に食らいつき、下半身を強化した。週1日だったウェートトレーニングを週2日に増やした。「苦しい時期だったけど、去年があるから今年たくさん更新できている」
8月のパンパシフィック選手権(東京)で、海外の強豪に挑む。池江は言う。「世界大会で記録を出すための練習が必要。鍛え直したい」。まだ成長の途中だ。(浅野有美)