応援席へのあいさつを終え、引き揚げる日本航空石川の選手たち=1日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場、遠藤真梨撮影
第90回記念選抜高校野球大会は1日、準々決勝があり、日本航空石川、星稜が敗れた。石川県勢初の春4強はならなかった。今大会でぶつかりあったライバル意識を原動力に夏へと向かう。
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能登半島北部の輪島市にある日本航空石川と、金沢市にある星稜は、2016年夏の石川大会決勝から1年半で5度も公式戦で対決し、日本航空石川の3勝2敗。6点差をひっくり返す逆転劇など激戦を繰り広げてきた。昨秋の北信越大会は両校がそろって決勝に進出。選抜への切符をつかんだ。
だが、大会に向けて両校は思わぬ「ハンディ」を背負った。今冬は大雪に見舞われ、何度か部員総出でグラウンドの雪かきをしたが、降りやまぬ雪に断念。室内練習場に閉じこもり、3月までほとんど土の上で練習できなかった。「外の感覚をつかめないのはつらかった」と日本航空石川の小坂敏輝主将(3年)は振り返る。
だが、迎えた大会で両校は躍動。30日には日本航空石川が、昨秋の明治神宮大会を制した明徳義塾(高知)に逆転サヨナラ本塁打で劇的勝利。星稜の鯰田(なまずた)啓介君(3年)は「航空が勝っているうちは、帰れない」とライバル心を燃やした。翌31日、近江(滋賀)に星稜もサヨナラ勝ち。競り合うように県勢過去最高の8強に両校が進んだ。
ただ、この日の準々決勝第1試合で日本航空石川は東海大相模(神奈川)に1―3で惜敗。原田竜聖君(3年)は「先に負けたくなかったが、星稜には優勝してほしい」とエールを送った。ナイターの第4試合に臨んだ星稜は一時は5点差を追いついたが、三重に競り負けた。奥川恭伸君(2年)は「航空の分まで勝ちたかったが、悔しい。夏までにもっと成長して航空を倒し、甲子園に帰ってくる」と次を見据えた。(塩谷耕吾、遠藤隆史)