マツダスタジアム(広島市南区)であった広島カープと中日ドラゴンズの試合で、中日側の応援席から「原爆落ちろ、カープ」などのやじが飛び、その様子がツイッターに投稿されていたことがわかった。
中日の球団関係者によると、動画は3月31日から4月1日に投稿されたとみられる。18秒間、ビジターの応援席から撮影され、中日の攻撃開始時の応援の音楽に合わせて、男性の声のやじが入っていた。投稿した男性はその後、ツイッター上で謝罪したという。アカウントもすでに削除されている。
球団側は、この問題を3日に把握。4日以降、ナゴヤドーム(名古屋市)の大型ビジョンや場内アナウンスで、チームや個人を傷つける発言をやめるよう注意喚起を始めた。球団の広報部は朝日新聞の取材に「あってはならないこと。状況を確認中なので、担当部署と話し合って対応を決めたい」としている。
インターネット上では、両チームのファンから「恥ずかしいし悲しい」などの意見が相次いだ。
広島県原爆被害者団体協議会(坪井直理事長)の箕牧智之(みまきとしゆき)副理事長(76)は「何げないやじだと思ったのかもしれないが、これは差別的で悪質な発言だ。被爆者の胸に大きく突き刺さっている。今後は正々堂々と応援してほしい」と求めた。(原田悠自)