イラスト・きたむらさとし
相談者 女性(70代)
中学校時代の同窓会に参加し、55年ぶりに再会した同級生に恋をしてしまいました。時折胸が締めつけられ、涙さえ流れてしまいます。まったく、いい年をしてこんなことになり、「誰かどうにかして!」と叫べたなら、少しは楽になるのかもしれませんが……。
彼との関係はその昔、思春期に手紙のやりとりをし、美術館に行くなど、純愛そのものでした。その後、どちらからともなく交信が遠のき、それぞれ社会人から子育て時代に突入、そして今ではお互い、孫のかわいさにしわを増やしている「じじ」と「ばば」です。
それが、同窓会報を介して「お互いの消息だけでも知りたい」との思いが通じての再会でした。うれしさのあまりメールのやりとりを重ねるうち、当時伝えきれなかった思いがよみがえり、70代のこの身にのしかかっています。山ほどの家事も手につかず、募っていく熱い思いに難儀しているのです。
このほとぼりは、自然に冷めてゆくものなのでしょうか? この年になって思春期のすてきな感情を味わうという、想像もしなかった事態です。大きなよろこびとともに、いつまで続くのか、エネルギーが奪われ燃え尽きてしまいそうな不安感もあるのです。どうすればいいのか、かなうことなら美輪明宏様にご回答頂ければ大変うれしいです。よろしくお願いします。
回答者 歌手・俳優 美輪明宏さん
この方は、若い頃にやり残したことを遂げたい、つまり最後まで行きたいと思っているのでしょう。「女性は灰になるまで」といいますが、一方で男性の場合、よほどの人でないと不能になります。いざという時に情けない、みじめな思いをさせることになるかもしれません。うまくいかなかった場合、男性は落ち込み、謝罪するでしょう。
それから、お二人ともお孫さん…