鈴木京香さん=東京都港区六本木、遠崎智宏撮影
「未解決の女 警視庁文書捜査官」に主演
捜査の鉄則は現場に通うこと。それは現実でもドラマでも同じだろう。ただ、靴底をすり減らすことに興味がなく、それでも事件を解決に導く刑事がいたっていい。
鈴木京香さんの「こじらせ女子的なところ」 真意は…
「未解決の女 警視庁文書捜査官」(朝日系、木曜夜9時)で演じるのは、現場に行くのを好まない頭脳派の刑事・鳴海理沙。異常なまでの“文字フェチ”で、犯人や事件の関係者が書いた文書から真相に迫っていく。
「捜査に積極的ではない」と分析するように、刑事ドラマでなかなか見られない体温の低そうなキャラクターだ。「警察でキャリアを持ちながら、人が嫌いで、ちょっと浮世離れしている。だからこそ、実際に血の通ったリアリティーのある女性として演じていくのは難しい」と言う。
物事に夢中になるフェチ部分は共感できるらしい。自身、幼少の頃から時間を忘れるほどに読書が好き。絵画や写真に目がなく、最近は歌舞伎や文楽にはまっている。
「いわゆる、こじらせ女子的なところがあるんです」と笑い、「家庭があったり、子育てをしたりしている同世代の方と比べ、好きなように時間を使える。一人で楽しみに没頭できるという意味では、こじらせているし、端から見たら私も同じ変人ですよ」。
NHK朝ドラ「わろてんか」の葵わかなや、今回の相棒刑事を演じる波瑠ら、親子ほど年齢が離れた若手と共演する機会が続く。「キャリアは今年で30年。長い年月、仕事をさせてもらっている責任はあるから、しっかり現場でやるしかないですね」。役どころとは反対に、撮影の現場には貪欲(どんよく)に臨んでいる。(文・小峰健二 写真・遠崎智宏)