ホワイトハウス前から米連邦議会議事堂まで歩く「科学のための行進」の参加者=14日、ワシントン、香取啓介撮影
米トランプ政権下で軽視される科学の役割を社会に訴えようと14日、世界約230カ所で「科学のための行進」が行われた。米ワシントンでは数千人が参加。ホワイトハウスや、環境保護局(EPA)の前を「科学は黙っていない」などと訴えながら連邦議会議事堂まで約2キロを歩いた。
行進はトランプ政権による科学研究予算の大幅削減提案や、環境規制の撤廃を懸念して、昨年から始まった。行進前のイベントでハーバード大のシェイラ・ジャサノフ教授は「誰も政治家の直感に左右されたくない。よい民主主義には、よい科学が必要だ」と訴えた。
ニュージャージー州から娘のジェニーさん(11)と一緒に参加した英語教師マリー・ベス・コルバーさん(38)は「この政権は予算を減らし、事実を探求する研究を弱めようとしている。行動するべき時だ」と話した。
今年は秋に連邦議会議員の中間選挙があることから、主催者は「科学のための投票を」との呼びかけを行っている。また、研究者や医師、技術者など理系人材を候補に擁立する動きもある。
この日は、ほかにもロンドンやダーバン(南アフリカ)、ミュンヘン(ドイツ)などで行進やイベントが開かれた。(ワシントン=香取啓介)