メルカリの小泉文明社長
フリーマーケットアプリの普及で、ネット経由の中古品取引が拡大している。スマートフォンを使いこなす若い世代が中心だ。彼らは何を求め、アプリ運営会社は何を目指そうとしているのか。運営会社メルカリの小泉文明社長に聞いた。
――サービス開始から4年半で、ダウンロード数が1億を超えました。急成長です。
「我々はフリーマーケットアプリの開発・運営会社としては後発です。参入したときには、20社近く競合がいた。ただ、どこもクリティカルマス(急速にシェアが拡大する臨界点)までいっていなかった。逆転できると思っていました」
「SNS運営会社のミクシィにいた経験から、こういうプラットフォーム型、つまり個人と個人のつながりがベースになっているビジネスはウィナー・テイク・オール、勝者総取りという面がある。人、情報が集まれば集まるほど、より成長が加速する。2位以下は関係なくなります」
――手応えを感じたのは、いつごろですか。
「この世界も、大事なのはプロダクト(アプリとサービス)とマーケティングです。私が2013年に入社して、資金調達やマーケティングを担当した」
「テレビCMは初めてでしたが、仮説があたりました。消費のトレンドをつくるのは20~30代の女性です。彼女らをどう動かすかを考えた」
「最初のCMはフジテレビの人気ドラマ『テラスハウス』に出演していた筧(かけい)美和子さんと菅谷哲也さんを使った。俳優の卵で、プロっぽくなくて、等身大の人です。それが受けた。メルカリを、日常的で親しみやすい。身近なものだと伝えたかった」
――何が彼女たちを引きつけたのでしょう。
「もともと買い物にはエンタメ…