チケット高額転売問題について話すMay J.さん=16日午後、東京・永田町、岩尾真宏撮影
音楽コンサートやスポーツイベントのチケットが販売価格より高額で転売されている問題で、ミュージシャンの宇崎竜童さん、夏木マリさん、May J.さん、Zeebraさんらが16日、オークションサイトなどを規制する議員立法化に向け、国会議員たちに法整備の必要性を訴えた。
宇崎さんはデビュー当時との違いを説明した。「今はコンサートで収益を上げられなければ、新しい作品を制作し発表することが困難。高額転売はアーティストたちのクリエーティブ・サイクルを壊すほど深刻化している」
続いて夏木さんは「チケットの価格を決めることも私の仕事。思いもかけない高額で世の中に出るのはフェアじゃない」。
May J.さんは自身のライブチケットが高額で転売され、最前列に空席があった経験を語り、「アーティストやスタッフが長い時間をかけて作ったライブを利用して、全く関係ない人が利益を上げているのはおかしい」と訴えた。
Zeebraさんは「音楽業界はCDの売り上げが激減して、ライブで生計を立てている状況。チケットだけでなくグッズを買っていただいてやっとライブが回る。チケットが高すぎればグッズを買う余裕もなくなる。不正のない環境を作りたい」。4人のほかに、藤井フミヤさんやきゃりーぱみゅぱみゅさんらがビデオでコメントを寄せた。
音楽業界4団体と国会議員らで作る「ライブ・エンタテインメント議員連盟」会長の石破茂氏は「音楽やスポーツ、文化を広く大勢に楽しんでいただけるよう、今国会で超党派で力を合わせて法整備をしたい」と話した。(坂本真子)