広島東洋カープの日南キャンプで打撃練習をする衣笠祥雄さん=1968年、宮崎県
「鉄人」と呼ばれ、プロ野球広島カープで当時の連続試合出場の記録を塗り替えた衣笠祥雄さんが、71歳で亡くなった。1975年の初優勝、87年の国民栄誉賞――。鯉党の誇りであり続けたヒーローの突然の悲報に、ファンらから次々と悼む声が上がった。
「鉄人」衣笠祥雄さん死去 71歳、連続試合出場記録
衣笠祥雄さん&山本浩二さん 夢と友達で毎日明るく
特集:衣笠祥雄さん死去
同学年で、お互いに甲子園に出場した智弁和歌山の高嶋仁監督は、「2月に対談したときはよくしゃべっていて元気だったので残念。プロ、アマは違えど同世代で野球を盛り上げてきたと思う。鉄人ですからね。長い間お疲れ様と伝えたい」と話した。
「はだしのゲン」の作者で、「広島カープ誕生物語」の作品もある中沢啓治さん(1939~2012)、ミサヨさん(75)夫妻は生粋の広島カープファン。ミサヨさんは「けがをしても休まず試合に出ていて、主人も感動し、大好きな選手でした」と悼んだ。
夫婦で広島市民球場に観戦に行くと、衣笠選手がよく打った印象がある。「山本浩二監督の後は、衣笠監督だと主人は予想していた。監督をしてほしかった」。
カープは2016年に25年ぶりのリーグ優勝を果たすと、17年も連覇。ミサヨさんは「衣笠さんたちがいたから今のカープがあるのを、ファンも忘れはならないと思う。衣笠さんと、今の強くなったカープをもっと一緒に喜びたかった」と話した。
広島カープの私設応援団「全国緋鯉(ひごい)会連合」相談役の苅部安朗さん(42)=東京都板橋区=は「衣笠さんはカープを代表するスーパースター。ファンは皆、いつかはカープの監督をやっていただきたいと思っていた。さみしいです」と語った。
ツイッターでも、衣笠さんの死に次々とコメントが書き込まれた。広島カープでチームメートだった北別府学さんは「言葉もありません。思い出は沢山ありすぎるくらいです。すいません、まだ信じられなくて何も書けません」とツイッターに書き込んだ。
熱心な広島カープファンで知られるお笑いコンビ「ザ・ギース」の尾関高文さんは、ツイッターで「衣笠さんが亡くなられたのか…信じられない…。心からご冥福をお祈りします。」とつぶやき、突然の別れを悼んだ。