米ゼロックスは1日、富士フイルムホールディングスによる同社の買収計画について、受け入れの撤回も含めて見直すと発表した。買収に反対して訴訟を起こすなどしていた米ゼロックスの大株主2人と和解で合意したという。
大株主側から新たな取締役を受け入れ、ジェフ・ジェイコブソン最高経営責任者(CEO)は退任する。買収計画が白紙に戻れば、富士フイルム側は根本的な戦略の見直しを迫られる。
米ゼロックスの発表によると、同社は筆頭株主で「物言う投資家」として知られるカール・アイカーン氏と、第3位の株主ダーウィン・ディーソン氏の2人と和解することで合意した。
米ゼロックスがアイカーン氏側から取締役6人を受け入れ、ジェイコブソン氏と複数の現取締役が退く。新たなメンバーで取締役会を早期に開き、富士フイルムとの関係について「終わらせるか、再構築するか検討する」としている。
大株主側は、現在ニューヨーク州の裁判所で争っている訴訟や、株主総会で買収に反対を呼びかけているのを撤回するという。
買収計画をめぐっては、米ニューヨーク州の裁判所が27日、手続きの一時差し止めを命じていた。裁判所はジェイコブソン氏らゼロックス経営陣が買収を受け入れた経緯が不適切だとしていた。(ニューヨーク=江渕崇)