（３日、日本ハム４―１楽天）

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がらりと、札幌ドームの雰囲気が変わった。１点を追う七回１死。１８歳のルーキーの一打から日本ハムの反撃は始まった。

「５番・指名打者」で出場した清宮が、低めのスライダーをとらえると、鋭い打球が一、二塁間を破った。楽天の左腕・辛島の前に、１、２打席目はこの球にタイミングが合わず空振り三振に倒れていたが、きっちり修正した。「狙っていた。ずっとイメージしていました」

チームとしても一回以来２本目の安打。ベンチとスタンドが沸き立つなか、続く杉谷、鶴岡の代打陣もバットを短く持って食らいつく。３連打で１死満塁。ここで８番清水が右打席へ。「代打を出されるかも」と、びくびくしていた２１歳が覚悟を決める。「年下の清宮が打ったんで（気持ちに）火が付いた。絶対に打ってやる」。直球をフルスイングすると、プロ初の満塁本塁打がバックスクリーンへ飛び込んだ。

前日に続く零封負けを喫しそうな状況から、一転。清宮の安打から始まった集中打で連敗を３で止め、栗山監督は「すごく意味のあるヒットだった」と目を細めた。

それでも、清宮は淡々と言った。「僕は重圧のないなかで打った。それをつないでくれた人、かえしてくれた人がいるから勝てた。周りに感謝です」。デビューから２試合連続の安打だが、いつまでも新人扱いされるのはご免だ。チームの戦力の一人として、思いっきりバットを振る。（山口裕起）