麻生太郎財務相が「セクハラ罪っていう罪はない」などと発言したことを受け、麻生氏に抗議する街頭行動が7日夜、東京都内や大阪市、札幌市など各地であった。財務省前では弁護士や大学教授などでつくる実行委員会のメンバーら約100人(主催者発表)が雨の中、「麻生大臣は反省して下さい」と声を上げた。
財務省は4月27日、福田淳一・前事務次官の女性記者へのセクハラ行為を認定して処分を発表した。しかし麻生氏は今月4日、訪問先のフィリピンでの会見で、セクハラの認定について「セクハラ罪っていう罪はない」「殺人とか強(制)わい(せつ)とは違う」などと述べた。
この発言について、実行委メンバーで中央学院大の皆川満寿美(ますみ)准教授は「財務大臣は(次官の)セクハラそのものを認定していないのでは」と疑問を呈した。ジェンダーや性暴力の問題に取り組む「アジア女性資料センター」の浜田すみれさんは「『セクハラなんて大した問題ではない』と考えていることがよくわかる。『迷惑』とか『品位』以前に、被害者を傷つけている」と怒りの声を上げた。
JR札幌駅近くの街頭にも約20人が集まり、麻生財務相の似顔絵や「セクハラは人権侵害」などと描かれたプラカードを手に、「こんな社会でどうやって女性が輝けるのか」「このような閣僚がいる政権を認めるわけにはいかない」などと訴えた。(吉沢英将、芳垣文子)