米国のポンペオ国務長官は9日午前、6月初旬までの実現を目指す米朝首脳会談の最終調整のために北朝鮮を訪問した。ポンペオ氏は中央情報局(CIA)長官として3月末から4月初旬にかけて極秘訪朝したが、国務長官としては初めての訪朝となる。北朝鮮の要人と会談し、拘束中の米国市民3人の解放についても交渉する意向だ。
ポンペオ氏を乗せた飛行機は7日深夜(米国時間)、ワシントン郊外のアンドリュース空軍基地を出発し、9日午前に平壌に到着。ポンペオ氏は給油で立ち寄った日本の米軍横田基地で記者団に対し、米国の目標は「完全」かつ「検証可能」で「不可逆的」な核兵器の廃棄であることを改めて強調。「我々の目標が達成されない限り、(北朝鮮への)制裁を緩和するつもりはない」と語った。ポンペオ氏のツイッターによると、今回の訪朝は北朝鮮側の招待という。
一方、米国のトランプ大統領と中国の習近平(シーチンピン)国家主席は8日午前(米国時間)、電話協議を行った。ホワイトハウスの発表によると、両首脳は習氏と金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長との2回目の中朝首脳会談について意見交換し、その上で「北朝鮮が核とミサイル計画を恒久的に廃棄するまで、経済制裁をかけ続けることの重要性で一致した」という。
トランプ氏は8日午後(米国時間)の記者会見で、米朝首脳会談をめぐり、「我々は会談をセットした。時間と場所も決まった」と語った。(ワシントン=園田耕司)