平均台の演技をする村上茉愛=北村玲奈撮影
体操のNHK杯は19日、世界選手権(10~11月、ドーハ)の代表選考会を兼ねて開幕し、女子個人総合で村上茉愛(日体大)が2連覇した。全日本個人総合選手権からの持ち点との合計168・530点で、2位寺本明日香(ミキハウス)との差をさらに広げての圧勝だった。3位には高校3年の畠田瞳(セントラル目黒)が入った。
上位6人が世界選手権代表候補となり、合宿の試技会などで代表を5人に絞り込む。7位の内山由綺(早大)以降、11位までの5人がアジア大会代表に選ばれた。
着地ぴたり、会場どよめき
村上には持ち点で3・502のリードがあった。追われる重圧と無縁だったのは「点差よりも、追い込んだ練習ができていたから」という。
最初の跳馬でどよめきを誘った。伸身で2回ひねって着地をぴたりと決めた。10点満点の出来栄え点は9・4。ひとり旅が始まると、昨秋の世界選手権種目別で優勝したゆかまで集中力は途切れなかった。「気がつくと、演技が終わっている感覚」と明かした。
エースの座は揺るがないが、目線は世界選手権と東京五輪に向く。平均台はあえて内容を変えて、より減点の少ない構成を探った。得意のゆかも含め、細部を見直している。瀬尾監督は段違い平行棒の強化を課題に挙げつつ、「失敗がなく、強くなった」。
涙にくれた世界選手権個人総合は0・100差の4位だった。「どんな技が自分に合うのか試していきたい」。照準は世界に向けている。(潮智史)