京大のタテカンをめぐる動き
京都大学吉田キャンパス(京都市左京区)の周囲にある立て看板が、大学によって撤去された。学生らは新たに掲示物を置いて抵抗するなど「いたちごっこ」が続く。伝統ある京大の「タテカン」に何が起きているのか。
京大の「名物」とも言われるタテカン。学生運動が盛んだった1960年代から目立ち始め、政治的な内容のほか、サークルの勧誘、演奏会の告知など多種多様なものが立てられてきた。
大学側は今月1日、タテカンの撤去に向けた動きを本格化させた。発端は京都市が昨年10月、京大に文書で指導したことだ。市は2007年から「京都の優れた景観」づくりを進める政策を打ち出した。その柱の一つが「屋外広告物」の規制だ。ビル屋上の看板や点滅照明がついた看板などは市全域で禁止。京大周辺の立て看板も「屋外広告物にあたり、擁壁への設置を禁じた条例に反する」としてターゲットになった。
京大は昨年12月、大学が認めた団体のみ、学内の決められた場所に一定期間だけ立て看板を設置できる、との規定を作成し、今月から運用を始めた。通告を受け、自主的にタテカンを撤去した学生もいたが、「立て看板は『文化』であり『景観』だ」と主張する学生らは、横長の段ボールを「寝看板」として掲げるなどして抵抗した。大学は日曜日だった13日朝、残った看板を撤去した。
ところが14日夜、大学側が撤去した看板をキャンパス内で保管していた場所に何者かが侵入。直後に、撤去済みのタテカンが大学周囲に再び並べられた。大学側は15日、ホームページに「保管場所への侵入などの犯罪行為を看過できない」とする文書を掲載し、18日、再びタテカンを撤去した。
タテカンを巡る学生と大学側の…