スペインを優勝に導いた2010年W杯準決勝、ドイツ戦でのイニエスタ=越田省吾撮影
「超大物」プレーヤーがJ1にやってくる。スペイン代表のMFアンドレス・イニエスタの神戸移籍が決まった。スペインの名門バルセロナで長年主力として活躍してきた34歳。世界屈指の司令塔は、日本でどんなプレーを見せてくれるのだろうか。
イニエスタのすごさは何か。171センチ、68キロ。欧米人に比べて小柄な日本人が親近感を覚える体格だ。
ワールドカップ(W杯)で名をはせてJリーグの門をたたいた近年の大物外国人と比べてみる。今、神戸にいるポドルスキ(ドイツ)や、かつてセ大阪に来たフォルラン(ウルグアイ)は2人ともFWだ。パスの供給役に恵まれないと、なかなか見せ場はない。その点、イニエスタは中盤で攻守の全権を握れる。球に触れる頻度は多いはずだ。
MFの外国選手をさかのぼると、鹿島のジーコ(ブラジル)はJリーグ開幕時には40歳と峠を越えていた。磐田のドゥンガ(同)は闘将タイプで技巧派ではなかった。その点、鹿島のレオナルド(同)、名古屋のストイコビッチ(旧ユーゴスラビア)はファンタジスタの華があった。
イニエスタは違う。派手なフェイントは多用しない。足に吸いつくように球を操る自信があるから目線は敵の動きに集中できる。相手の動きを見極め、もしくは先読みして逆を取る。まるで後出しじゃんけんのように自在にかわしていく。
優勝請負人だ。バルセロナで欧州チャンピオンズリーグ(CL)を4度制し、スペイン代表では2010年W杯優勝、08年、12年には欧州王者の原動力になった。10年W杯決勝の延長決勝ゴールが象徴するように大舞台にめっぽう強い。W杯、欧州選手権、欧州CLの決勝ですべてマン・オブ・ザ・マッチに選ばれた。今夏のW杯ロシア大会でもスペイン代表の中心だ。
20日夜、バルセロナの本拠カ…