5月21日、「大白」の「壮行会」でメッセージを書いた付箋を貼る宅配員(撮影・張維納)。
「僕は武漢の大白です。人々のためにサービスを提供するのが仕事で、その職責は新型コロナウイルスと闘い、愛と思いやりを届けること」。これは、湖北省武漢市で新型コロナウイルスとの闘いに参加した配送ロボット「大白」の自己紹介だ。107日間にわたって、その闘いに参加し続けた「ヒーロー」はこのほど、中国国家博物館の永久所蔵品となった。新型コロナウイルス流行期間中、「大白」は主に、同市青山区の市第九病院への配送を担当し、これまでの走行距離は合わせて6800キロ、約1万3000個の荷物を運んだ。同病院は新型コロナウイルス感染者を受け入れる指定医療機関だった。長江日報が報じた。
白いボディに黒い頭というデザインのスマート配送ロボット「大白」は1度に宅配荷物24件を運ぶことができる。宅配業者は荷物を「大白」のボディの中に入れ、配送先の情報を入力すると、すぐに配送へ向かう。「大白」には複数の視覚センサーやレーダーが搭載されているため、障害物の大きさや距離を検知することができる。
配送に2度同行して取材したところ、「大白」は前方の通行人や動物、車両などを敏感に察知し、すぐにそれら障害物を避けて、前進していく。また、交差点に差し掛かると、信号も検知することができ、青の場合はそのまま進み、赤の場合は止まるなど、相応の判断を下していた。
「大白」が宅配業者の営業所から、病院に向かって出発する時、事前に受取人にもうすぐ荷物が届くことを知らせるショートメッセージが送信される。そして、「大白」が病院の入り口に到着すると、指定の受取人に到着を知らせるショートメッセージがもう一度送信される。受取人は「大白」のパネルで認証コードを入力すれば、荷物を受け取ることができる。認証コード入力のほか、スマホの「ワンタップ受取」機能や顔認証システムなどを使って荷物を受け取ることもできる。
京東物流自動運転研究開発部の責任者・孔旗さんは取材に対して、「『大白』の設計速度は30キロ。実際の配送の時は15キロで走行している。前方と屋根にレーザーレーダーが搭載されている」と説明した。
5月21日、国家博物館に向かう「大白」を見送るため、京東物流武漢仁和ステーションの宅配員らは、「壮行会」を開き、「私たちは永遠に戦友」、「一番必要となる時に登場してくれてありがとう」などのメッセージを付箋に書いて「大白」のボディに貼った。「大白」と肩を並べて新型コロナウイルスとの闘いの臨んだ宅配員たちは、「『大白』は、無口な同僚みたい。言葉で交流することはできないけど、一緒に肩を並べて新型コロナウイルスと闘った『戦友』だ」と口をそろえる。(編集KN)
「人民網日本語版」2020年8月4日